土壌汚染調査・浄化工事
土壌環境汚染調査
土壌環境は、『水』『大気』と共に重要な地球環境保全の構成要素であり、土壌汚染問題は大変大きな社会問題となっています。 ベンゼンやシアン化合物、砒素や鉛などの発ガン性物質や特定有害物質など、大きな健康被害予想される土壌汚染が土壌環境調査により検知されるケースが年々増加しており、国もあらゆる対策を行っています。
【平成24年度土壌調査(環境省)表1】
「平成24年度土壌汚染対策法の施工状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果」
調査件数 | 指定基準超過 | 汚染指定割合 | |
---|---|---|---|
平成24年度 | 689件 | 466件 | 67.6% |
平成24年3月までの累計 | 3,380件 | 1,191件 | 35.2% |
危険物の漏洩事故による土壌汚染は、汚染対策工事費用という大きな経済的責任だけでなく、近隣への賠償責任という社会的責任も問われます。この被害額も数千万円から数十億円という大変大きな被害額となっています。
危険物施設では、土壌環境汚染に対する配慮がより一層強く求められる様になって参りました。
テクノネットは、精度の高い確実な土壌汚染状況調査から対策工事まで一貫して対応しています。
ガソリンスタンドの漏洩検査事業を20年以上実施してきた経験を活かし、ガソリンスタンドの土壌汚染調査及び対策については、スピィーディーに経済的なプランニングをご提案します。
特にガソリンスタンド業界は、30年以上経過の老朽化した地下タンクによる漏洩事故が大きな問題となっており、その危険性のあるガソリンスタンドが全体の60%も存在しているのが現状です。
テクノネットの担当スタッフは【地下タンク点検技術者】や【危険物取扱者】、【土壌環境リスク管理者】や【土壌環境保全士】【土壌汚染技術管理者】の資格を持ったチームで構成されており、お客様の立場に立った経済的で効果的なプランニングを社内チームで討議し、より良いプランをご提案致します。
土壌汚染対策工事
土壌汚染対策費用は、対策工事の内容により大きく異なります。また、対策効果も同様で対策工事内容により大きく異なります。テクノネットでは、あらゆるプランの中から費用対効果の最も大きい組み合わせをプランニングし、ご相談の上、お客様にご納得いただけるプランで対応いたします。
◆ 対策工事の現状
土壌汚染対策工事の現状は、圧倒的に掘削除去による対策が多い傾向にあります。
特定有害物質 | 原位置浄化※1 | 掘削除去 | 掘削除去割合 |
---|---|---|---|
VOC(第1種) | 15件 | 21件 | 58.3% |
VOC累計 | 56件 | 96件 | 63.1% |
重金属(第2種) | 0件 | 301件 | 100% |
重金属累計 | 11件 | 841件 | 98.7% |
※1: 地下水揚水・化学的分解・バイオレメディエーション
対策工事の効果汚染対策プラン | コスト | 工期 | 効果 |
---|---|---|---|
掘削除去 | × | ◎ | ◎ |
バイオ製剤 | ◎ | × | ◎ |
・あらゆる組み合わせの判断が必要であり、通り一遍等の工事では費用対効果が期待できない可能性があります。
・安かろう悪かろうの業者では、末端で不法投棄などの不正が行われるケースがあり、企業イメージの悪化に繋がる恐れがあります。
対策工事は通り一遍等ではなく、汚染状況や周辺状況、対策後の土地利用内容も考慮し、あらゆる対策を組み合わせ経済的に効果を挙げるプランニングが要求されます。
回収井戸設置による浄化プラン
ガソリンスタンド等の危険物施設で、油汚染が検知された場合、物理的理由や経済的理由で直接掘削除去できない施設の場合、汚染範囲付近に回収井戸を設置し、油等の汚染物質を回収する浄化プランです。
実際には、バイオメレディエーションと併用するケースが多く、浄化スピードを上げるための補助的な浄化プランです。経済的なプランですが100%回収は難しく時間の掛かるプランです。
地下タンクからの漏洩事故による大量な土壌油汚染の場合や、ベンゼン・鉛などの汚染の場合は、大量の油の緊急回収や発がん性などの健康被害防止を目的に、汚染対策土壌を掘削除去し、汚染土の産廃処理をする必要があります。
産廃処理に費用が掛かるため、対策費用は大きくなりますが、除去した部分に関しては清浄土で埋設しますので、その場で汚染がなくなり、緊急性のある場合には有効です。
土壌汚染の調査結果から、汚染部分を立体的に捉え、汚染の酷い部分のみ掘削除去し残りはバイオレメディエーションを併用することで対策費用をコストダウンするケースも多くあります。
バイオ製剤土壌改良工事
ガソリンスタンドの埋設配管や地下タンクからの漏洩事故による土壌汚染の場合、油・ベンゼン・鉛による土壌汚染の可能性が心配されます。
土壌調査の結果、ベンゼン・鉛等の汚染が検知されず油汚染のみの場合、微生物を利用し油汚染の浄化をすることが出来ます。この場合、掘削除去による工事範囲を削減することができ、産廃費用の削減によるコストダウンが可能です。但し浄化に必要な時間が1年~3年ほど必要になります。
① 微生物活性化による土壌汚染浄化
対策土壌に存在する微生物を活性化することにより、土壌浄化を推進するプランです。
活性化するための外的要因別に、【酸素注入法】【栄養基注入法】があります。
② ランドファーミング法・フォーミュラー注入法による土壌汚染浄化
微生物製剤を対策土壌に直接投入することにより、微生物の絶対量を増加させ土壌浄化を図るプランです。
③ 循環式浄化法による土壌汚染浄化
回収井戸及び注入井戸と循環分離層を用意し、汚染土壌を地下水を利用して水溶性バイオ製剤を循環させる浄化プランです。
④ ハイプレッシャー・バイオ法による土壌汚染浄化
汚染範囲の地盤下へ高圧射出口の付いた配管を挿入し、バイオ製剤を高圧で強制的に射出しながら回転させ、ゆっくり上昇させる事で全方位への浄化を低コストで実現させる浄化プランです。
掘削・産廃費用を抑えて広範囲の浄化工事に対応し、油脂分解剤やその他の方法と組み合わせる事により、より早く浄化工事を進める事が可能になりました。
テクノネットでは、微生物製剤としてオッペンハイマーバイオテクノロジー社の【オッペンハイマー・フォーミュラ】を利用しています。
バイオテクノロジー先進国であるアメリカ環境保護局(EPA)の国家緊急計画(NCP)に登録される数少ない複合微生物製剤として、その有効性や安全性は高い評価を受けています。
日本でも1997年の日本海ナホトカ号重油流出事故で利用されるなど、世界的に注目され、油の浄化手法が模索されている日本でも、効果が高く、安全・無害な手法として期待を集めています。
この製剤は、アジア圏総代理店である㈱バイオレンジャーズ様との取引により、弊社がバイオレメディエーションに利用させていただいております。
左から
株式会社バイオレンジャーズ 代表取締役社長 鴻野 雅一氏
オッペンハイマー・バイオテクノロジー社 代表 Jennifer M Neve氏
テクノネット株式会社 代表取締役 石野田 賢次
2008年11月7日 「油汚染とバイオメレディエーション~アメリカ最新事情と日本国内での適用~」セミナーにて